生殖補助医療施設でストレスを抱えてしまった不妊治療
不妊症は、病気ではない。と言われています。
なのに定義がどうして必要なのだろう。と私はいつも疑問に思っています。
そして、最近では、こんなふうな疑問も持つようになりました。
最近、病院によっては排卵誘発剤の使用時期が早くなり、また、その使用量も増えているところありますし、理由のなくステップアップをすすめる生殖補助医療施設があります。このことは、数年前からよく耳にしている内容なんです。私は、このことを耳にするたび、本当に不妊治療をされているご夫婦のことを考えているのだろうか🤣
という疑問からある結論へと少しずつ導かれていっています。
鍼灸師さんは知っている
ところで、不妊の鍼灸治療をしている鍼灸師さん達は、産婦人科などへの勤務経験がなくても
病院で行っている不妊治療のことや不妊治療の基礎的なことなどについてとても詳しい鍼灸師さんが多いです。
私も産婦人科のある病院に勤務していた時期もありますが、産婦人科に勤務していた頃は、婦人科の疾患についても産科のことについてもほとんど知りませんでしたし、学べる環境でもありませんでした。
だから、勉強したくて京都市の鍼灸院で働くことを決めました。
私は、京都の鍼灸院で働くようになってから、不妊の基礎についてだけでなく女性の身体の仕組みなどについても勉強できることとなりました。
京都の鍼灸院は、当時、院長先生が産婦人科で不妊の鍼灸治療をされていたり、京都の有名な生殖補助医療をされている病院の院長先生と親しかったりしてさまざまなことを学べる環境にありました。
現在、京都を離れてから8年以上が経ちましたので、私の知っている京都の生殖補助医療をされている病院が以前と異なったシステムを導入しているかもしれませんし、院長先生の治療方針も変化しているかもしれませんが、私にとっては、その病院は、とても信頼できる病院ですた。だから、今でも当時のその病院が行っていた検査項目や治療方法などが基準みたいなものになっている部分があります。そして、その上に最新の情報を加えていっている感じになっているので、どうしてもその病院と比較してしまい『それはないでしょう。』と考えてしまうことが多くなってしまっています。
疑問に思っている排卵誘発剤
ここからは、何年も前から疑問に思っている排卵誘発剤の使用についてご紹介していきます。
その方は、行っていた生殖補助医療施設で『なぜ、排卵誘発剤をそんなに補充する必要があるの?』
『AIHへステップアップする必要があるの?』と疑問を持ち鍼灸治療にお越しになられた方のお話しです。
病院受診
ご結婚されて1年が経っても妊娠しなかったので病院を受診されました。
いろんな検査を行い、血液検査以外の検査において現段階では原因は見つかりませんでした。
ただ、血液検査の結果は、後日、受診して説明してもらえるということで初日の診察が終わりました。
でも、この日、血液検査におけるホルモン値などについては不明の状況なのに
内服薬のレトロゾールが処方され、服用開始となりました。
最初の周期~3回目の周期まで
毎周期レトロゾールが処方されました。3周期目はレトロールの量が増え、注射による排卵誘発剤も追加になりました。どの周期も卵胞はしっかり成長していたし、複数の卵胞が成長した周期もありましたが、妊娠はしませんでした。
血液検査やご主人の精子検査などにも異常は見つかっていませんでした。
卵胞は育っているのに注射による排卵誘発剤の補充って必要なの
フーナーテストなども行っていないし、人工授精へ早急にステップアップしなければいけない理由がなく、詳細な説明もなく、人工授精へのステップアップをすすめられている状況でした。この排卵誘発剤とステップアップのことに疑問を持たれ、この後、当院で不妊の鍼灸治療を開始されることになります。
そして、話されていました。
そこまでしなくちゃいけないのかな?
胃が痛くなるんです。
それだったら、ストレスによって症状が出ていると思うので
胃の痛みが取れるまで病院をお休みしてもいいかもしれませんよ。
ご主人とお話ししてどうされるか?
決めてもいいのかもしれないですよ。
鍼灸治療で不妊の治療も行いますが、
胃の痛みを取る治療も行っていきますね。
こんな感じの会話をしたのを覚えています。
そして、お帰りになる間際
病院に行くのやめます。
とスッキリしたお顔で言われたのを覚えています。
でも、不妊治療を始められてからストレスを今まで以上に感じている方は少なくないと思います。
ただ、体調不良が表面に出ていないだけなのではないでしょうか。
ストレスは、何か身体に異変が起こっていると気が付きやすいですが、異変がないと、意外と見落としてしまうことだと思います。ですから、ストレスを感じていなくても定期的に気分転換などをされることをおすすめします。
鍼灸院がなってはいけない場所
しんどかっただろうな。と思います。そして、妊娠を望む方にとってストレスは良くないな。と実感した出来事でもありました。
不妊治療に関わっている方々なら、ストレスが不妊治療に悪い影響を与えることはほとんどの皆さんが知っていることだと思っています。また、私は、ストレスを解消することが妊娠に繋がる近道となる可能性が高いと考えているので不妊の鍼灸治療を行ううえでその部分はとても大切にしています。
病院によっては、不妊治療をされるご夫婦の意見を無視して、どんどん不妊治療をすすめていくところもあります。そして、最新の検査や治療を取りいれている生殖補助医療施設では、どんどん費用の高い検査や治療をすすめられます。これらだって、ストレスです。だから、思うんです。
病院で起こる出来事に対して、私達、鍼灸師ができることはほとんどないのかもしれません。
でも、鍼灸院に治療に来られる方に対して、
治療をする空間や場所がストレス解消の場所となってもストレスを与えてしまう場所になってはいけない。と!
そうならないように今も気をつけているけれど、もっと、もっと、気をつけていかなければいけない。と考えさせられました。
自然妊娠
不妊の鍼灸治療を始める前に
週1回、最低3~4ヶ月は定期的に治療を継続してくださいね。
と、
実際、治療を開始してから約4ヶ月目くらいで妊娠が判明しました。この間、卵胞チェックには1度も行かれていませんでした。そして、現在、お子さんは順調に成長されて安定期に入られています。
ご連絡をいただいたとき、本当に嬉しかったです。
質問してください。
当院で不妊の鍼灸治療をされている皆さんは、不妊治療に対して、さまざまな疑問をお話しされます。
私が勉強不足だったり、あまり、考えたことない内容などを聞かれることもあって、すぐにお答えできない時もたまにあるのですが、ご自分の行っている治療に対して、疑問を持つことは良いことだと思っています。
即答できない場合もあるかもしれませんが、お話しくださった疑問に対しては、必ずお答えするようにしています。ですから、何でも、お気軽に疑問に思ったことをお話しくださいね。