多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と自然妊娠

    多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されていた方が自然妊娠されました
    やはり、自分のことのようにとても嬉しいです。
    不妊治療にたずさわるようになって多嚢胞性卵巣症候群と診断された方で
    体外受精で妊娠された方との出会いはありましたが、
    自然妊娠された方との出会いは初めてでした。

    多嚢胞性卵巣症候群は自覚症状がない場合もあります
    検診を受けたりして自分が多嚢胞性卵巣症候群だと説明をされ
    画像を見ながら説明を受け驚かれることもあるのではないでしょうか。

    多嚢胞性卵巣症候群と診断され来院された方は
    軽い気持ちで婦人科で検査を受けられ
    多嚢胞性卵巣症候群と診断された直後で
    当院での治療も多嚢胞性卵巣症候群の治療を希望されての来院でした。
    そして、ゆくゆくは赤ちゃんを・・・と考えていらっしゃいました。
    多嚢胞性卵巣症候群の治療を私は行ったことがないので
    その旨をお話し、了承を得て治療を開始したのですが・・・

    鍼灸治療を始めて3回目の鍼灸治療直前に病院を受診されていて
    その時、妊娠の可能性があるとドクターから言われていました。
    まだ、このときは胎嚢の確認ができていなかったとのことで確定の診断とはなりませんでしたが、
    その後、胎嚢の確認ができ確定診断され、今は、安定期に入られています。
    卵巣の画像を見てかなり驚いたと話されていたので
    最初は、妊娠が本当なのか?という思いも抱いていらしゃったかもしれません。

    私は、鍼灸治療の効果が期待できるまでに最低でも3~4ヶ月の治療期間が必要!と
    京都の鍼灸院に勤務しているときに教わりました。
    その理由も仮定ではありますが、説明を受けました。
    そのことを考えると、
    鍼灸治療でどんな効果が得られたのか?
    検討はつきませんが、
    ただ、病院での診断直後に鍼灸治療に来院される方はほとんどいらっしゃいません。
    不妊治療や子宮内膜症などで鍼灸治療に来院される方の多くは、
    長い期間、治療を行っているが
    なかなか上手くいかない!ということで来院されます。
    病院を受診した直後に来院されたことや
    鍼灸治療に来院された時期を考えると
    命を授かろうとしている赤ちゃんが鍼灸治療をすすめてくれたのでは?
    と少し私にとって都合の良い解釈となってしまっていますが、
    鍼灸治療が何かしらの役に立てているのかもしれない。とも感じてしまっています。

    多嚢胞性卵巣症候群の原因には、内分泌(LHとFSH)
    もしくは耐糖能機能が関係しているのはないか?と言われています。
    その他にメラトニンも関係しているのではとの意見もあります。
    内分泌(女性ホルモン)が減少している場合、
    内分泌(男性ホルモン)が増加する場合があります。
    そういう状態では、卵胞が成熟しきらずに卵巣から排卵できず
    卵巣の中に残ってしまいます。
    残った卵胞は、卵巣の外側にあるため
    排卵を阻害したりすることもありますし、
    血中男性ホルモンが多い場合は、
    卵胞の中にある女性ホルモン量は減っている可能性も考えられ、
    それが受精や着床にも悪い影響を与えてしまうとも考えられます。

    でも、多嚢胞性卵巣症候群と診断されたからといって
    自然排卵を全くしない訳ではありません。
    その方の症状の程度などによっては、
    自然に排卵される場合もあります。
    子供がほしい!と思っていらっしゃるときに
    多嚢胞性卵巣症候群と診断されてしまうと
    落ち込んでしまう時もあるかもしれませんが、
    多嚢胞性卵巣症候群と診断された場合でも
    卵子に成長する細胞が残っていない訳ではありません。
    年齢など様々な問題もあるかもしれません。
    でも、自分を責めたり、落ち込んでしまうことが続いたりと
    そんな風になっていただくないな。と思っています。
    不妊治療をされている方は、頑張っていらっしゃる方が多いです。
    だから、これ以上、頑張ってください。とは言えませんし、
    逆に頑張り過ぎないでください。とお伝えできたらと思っているくらいです。
    ただ、予期できないことが起こることがあるのが人の身体です。
    どうか、不妊治療や妊活をされていらっしゃる全ての人に
    嬉しいお知らせが届きますように。